てんかんによる障害年金受給について

[記事公開日]2018/03/14

以前から、てんかんによる障害年金申請は難易度が高いと言われてきました。

それは疾病としての特異性や認知の難しさからくるものでしたが、過去の判例や認定例から、認定の傾向も出てきていますので、申請時の注意点などを記載します。

 

 

てんかんの症状、種類について

 

てんかんは脳内の神経細胞の異常な電気的興奮に伴って、痙攣や意識障害の発作が起こる脳の病気です。

多くは原因が不明で、小児期に発生しますが、成人期以降では、頭部の外傷や脳血管に障害を持ったことなどからてんかんを発症するケースもあります。

 

症状としてのてんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類てんかん発作などに分類されます。発作の内容も、全身の痙攣を起こすもの、意識を失うもの、幻覚や恐怖感といった症状もあります。

発作の頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものもあれば、難治性てんかんと言って、発作の抑制できないものもあります。

 

診断としては、脳の電気的興奮がどこで起こっているかを明らかにするため、脳のCTやMRIといった画像検査も行われます。

 

 

てんかんによる障害年金の認定基準

てんかんは、国際疾病分類のICDコードではGコード(神経系疾患)に分類されていますが、一般的に精神科医が診断する事が多く、妄想や幻覚、抑うつ状態やうつ病の病態も示していて、「てんかん性精神障害」と診断される方も多い事から精神の障害に分類されています

 

障害年金の認定要領においては、発作の種類を次のように分類して、その頻度から該当する等級の目安を定めています。

 

発作の種類
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害は無いが、随意運動が失われる発作

 

等級 障害の程度
1級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のAまたはBが月に1回以上あり、かつ、常時の介護が必要なもの
2級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のAまたはBが年に2回以上、もしくは、CまたはDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のAまたはBが年に2回未満、もしくは、CまたはDが月に1回未満あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの

 

てんかんは、発作と精神神経症状及び認知障害が同時期に出現することに留意が必要であるとされています。

 

うつ状態や、妄想や幻覚といった精神疾患の症状も併発するケースも多い為、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する、とされています。

また、てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わずに、諸症状を総合的に判断して認定されます。

別の疾患として併合する認定ではなく、複数の症状も総合的な状態として認定を受けるという事になります。

 

逆に、てんかん発作のみの症状で精神症状を伴わない場合は、認定は難しくなります。

てんかん発作が薬物により抑制されている場合や、服薬を自身の判断で中断してしまい、それが理由でてんかん発作が再発しているケースも対象外となります

 

 

 

てんかんによる障害年金申請の注意点

先ほどの認定基準の前半でも記載しましたが、てんかんによる障害年金申請は、精神の障害に分類されている為、精神の診断書書式で取得をする必要があります

 

そして、てんかんとしての発作の症状だけではなく、精神疾患の症状として気分の落ち込みや逆に躁状態、妄想や幻覚の症状があれば、「てんかん性精神障害」と総合的に認定を受けられる為、通院をしている医師にそういった内容の診断書を作成してもらえるように、日頃から症状について伝達をしておく事が必要となります。

 

もしそれらができていなかったとしても、できる限り現状に沿った申請を行う為に、診断書依頼時にも改めての症状の訴えが必要であると考えます。

これらがどれもできていないと、形式的に障害年金の申請はできても、実際の症状では高い等級で認定されそうな状態であっても、状況を伝えきれずに低い等級で認定されるというような事態が起きてしまいます。

 

ご自身で申請を行い、等級が下がり少ない障害年金の年金額になってしまうという不安がある方は、ご自身で準備される前に、ぜひ一度当オフィスにご相談ください。