網膜色素変性症による障害年金受給について

[記事公開日]2017/07/24
[最終更新日]2017/07/25

 

今回は眼の疾患である網膜色素変性症で障害年金を受給するケースを取り上げます。

この疾患は視野が狭くなったり、視力が落ちる、夜盲といって暗くなると急に見えなくなるなどの症状があり、進行すると外出や通常の生活を送る事が難しくなってきます。

そういった疾患に対して、障害年金を申請する際のポイントを解説します!

 

網膜色素変性症の症状について

この眼に関する疾患は遺伝子の変形・異常によって起こるものです。

代表的な症状は夜盲(やもう)、視野狭窄(しやきょうさく)、視力低下、などです。

多くの場合で、最初に自覚する症状は夜盲です。

日が暮れるとよく見えなくなったり、暗い所に急に入るとまったく見えない、時間がたっても他の人のようには目が見えてこないなどです。

逆に、明るい所ではまぶしくて見えなくなる、という症状もあります。

 

視力や視野(主に視野)が制限される疾患ですので、生活上や就労上とても影響を受けやすく、また回復を見込みづらいところもこの疾患の難しいポイントです。

 

進行性の病気ですが、非常にゆっくりと進行するので、一年ほどの間隔をあけて検査しても、悪化が認められないことはめずらしくありません。

数年から数十年かけてゆっくりと視野が狭くなり、視力が低下し、失明となる場合もあります。

 

ただ、必ず失明するわけではありません。

その進行速度には大きな差があるうえ、症状の現れ方、発症した年齢などによっても個人差が大きく、高齢になっても視力を維持している場合が少なくありません。

 

網膜色素変性症によって障害年金を申請する際の注意点

視力による障害年金の障害認定基準は大きく分けて「視力障害」「視野障害」「その他の障害」に分けられます。

内容としては以下のようになります。

 

等級 1 2 3
視力障害 視力の和が0.04以下 視力の和が0.05以上0.08以下 視力の和が0.1以下
視野障害      ― I/2視野が5度以内     ―
その他 まぶたの欠損や眼球、瞳孔の状態による。

 

ここでいう視力とは、眼鏡やコンタクトレンズを装着後の矯正視力を言います。

網膜色素変性症の症状としては、視力の低下は徐々に進行していくので、障害認定基準になかなか到達しない可能性があり、認定される場合は、視野障害で2級以上と認定されるケースが多いです。

ただ、この視野認定の数値は、

『ゴールドマン視野計による中心視野I/2で5度以内』

または

『ゴールドマン視野計による周辺視野I/4で10度以内かつI/2視標で中心10度以内8方向の残存視野が56度以下のもの』

とかなり限定的であり専門的です。それ以外の視標で測ったものを無効としています。

医師が指定外の視標を用いて視野を測って診断書を作成された場合は結果として不支給となってしまいますので注意が必要です。

 

申請のポイント

障害年金は初診日において国民年金加入なのか、厚生年金保険加入なのかによって、受給額が変わってきます。

厚生年金保険加入での障害厚生年金申請の方が受給額は多くなります。

 

しかし、この網膜色素変性症は生まれながらの疾患であるという「先天性」であるかを疑われる病気であることが大事なポイントとなります。

もしあなたの病気が先天性と判断された場合は、初診日を0歳と判断され、20歳前傷病の障害年金】と認定されます。(20歳前傷病による障害年金の説明については ⇒ こちら 

 

この認定は国民年金のものとなり、厚生年金で上乗せ部分を含めて障害年金を受給することができなくなります。

 

まとめ 

網膜色素変性症は精神疾患などと違って、認定が視力や視野で数値化され認定される所や、その認定が医学的専門的な特徴が強い事。

さらには、申請の内容によって初診日の判断が生まれつき(先天性)と判断され申請制度を変更される可能性がある観点からも、多くの申請で複雑なものになる事が予想されます。

ご自身で申請を進められ、「こんなはずじゃなかった」という結果にはならないよう、

不安に思われた場合は専門家にご相談されることをお勧めします。