統合失調症による障害年金受給について

[記事公開日]2017/09/02

統合失調症は、ドーパミンなどの脳の神経伝達物質の活動異常が深くかかわっているといわれています。神経のバランスがくずれ、精神面に障害があらわれる結果、日常生活を送ることが困難になり、「生きづらさ」を感じる疾病です。そういった症状についてどのように障害年金を申請していくのか、解説します。

 

統合失調症の症状と原因

冒頭でも述べましたが、統合失調症は、ドーパミンなどの脳の神経伝達物質の活動異常が深くかかわっているといわれています。

その他には、心理的(性格)要因、遺伝的要因、環境的な要因が考えられます。

症状としては、初期は陽性症状として「幻覚」や「妄想」の症状があります。

慢性化し長期的になると、陰性症状となり「感情が乏しくなる」「精神の柔軟性が失われる」「意欲が減退する」「集中力が低下する」といった症状が見られるようになります。

 

1日の大半をぼんやり過ごす「無為・自閉」の状態になるケースも見られます。

日常生活や対人関係、就労状況についても影響が考えられる疾病です。

 

病識が無い方や、病気と認められない方も多くいらっしゃる疾患ですが、早期発見によって投薬治療を進める事で、脳の前頭葉の萎縮を止める事ができ、回復する可能性を高める事ができます。

 

統合失調症で障害年金を申請する際の注意点

統合失調症で障害年金を申請する上で、注意しなければならないのは初診日についてです。

精神疾患全般に言える事ですが、初診日で診断された傷病と、障害認定日の時点で診断された傷病が異なっているケースは多々あります

 

統合失調症であれば、初診の時点では神経症と診断されていて、途中から統合失調症と判断される場合や、初めは不安障害から統合失調症、不眠症から統合失調症と診断名が違っている事も多いのですが、精神疾患の場合には別傷病とは扱われず、同一傷病とされ、初めにクリニックに掛かっていた時点が初診日となります。

 

特に精神科や心療内科だけの医療機関への受診である場合は、その初診日がわかる診察券をもって、認定されるケースが多いです。

しかし、前発(以前)の疾病が知的障害であるならば、その後統合失調症と診断されてもその疾病は別疾病と判断されます。ですので、後発の統合失調症での初診日を確認する必要があります。

前発傷病 後発傷病 判定
発達障害 うつ病 同一疾病
発達障害 神経症で精神病の様態 同一疾病
発達障害 統合失調症 前発疾患の病態がある場合は同一疾病
知的障害 統合失調症 別疾病
うつ病、統合失調症 発達障害 診断名の変更

 

また、内科受診や耳鼻科受診の初診日がその後の統合失調症の初診日と認められるケースもあります。その後の精神科や心療内科の受診を勧めたことがカルテ上明記されている場合です。

 

認定基準について

 等級   障害の程度
 1級 高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の介護が必要なもの。
 2級 残遺状態 又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの。
 3級 残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの。

 

統合失調症での障害認定は上記のようになります。

補足として、『予後不良の場合もあり、国年令別表・厚年令別表第1に定める障害の状態に該当すると認められるものが多い。しかし、羅病後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもある。

したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮する。』

 

と、あります。長期的に経過を考慮する必要があるという事です。

イメージとしては、1級は寝たきりに近い状況、2級は1人での外出なども困難で就業はできない状況。3級は疾病を理由に就業が制限されている状況です。

 

主治医に適切に病状や日常生活の状況を伝えたうえで、詳しく診断書に記載頂けるよう説明をする必要があります。

 

まとめ

近年、統合失調症やうつ病、精神疾患での障害年金認定は審査が厳しくなってきています。

特に統合失調症では、初診日をどの時点で特定するのか、また障害認定での診断書や書類の準備状況は随時細かくチェックをした上で、それぞれの状況に応じた申請が必要になってきます。

当オフィスでは、ややこしい申請書の準備や細かいチェック、診断書作成の為の医師との連携など、面倒な作業を全てご依頼頂き、より最適な障害年金受給の申請をお任せ頂けます!