[最終更新日]2020/08/17
実は、身体疾患による休職者で一番多いのは、糖尿病を患っておられる方々です。
厚生労働省の調査では、腎臓疾患や糖尿病の患者数は全国で現在300万人を超えていると言われています。
その中で人工透析をされている方は、全国で30万人を超えています。
人工透析を受けられている方は、基本的に障害年金2級以上に認定されます。
人工透析には、血液透析・腹膜透析・血液濾過の3通りの方法があります。
どちらも認定の基準は、同様で原則2級に該当するとされております。
このページでは、人工透析治療を受けておられる方の具体的な障害年金申請のポイントを解説します!
人工透析治療の症状について
人工透析治療を受ける原因として多いのは腎臓病です。
そして腎臓病の中で多いのは、腎臓がんや腎不全で、他にも慢性腎炎や糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、腎硬化症、多発性嚢胞腎などがあります。
それらの症状が進行すると色々な原因によって、腎臓の働きが衰えて腎臓機能低下になっていき、そういった状態を腎不全と言います。
早期に発見し、治療を行えば機能も回復できるのですが、早期発見ができず、機能が低下してしまうと、尿として排泄された老廃物が身体の中に溜まって、尿の異常や高血圧、部分的な浮腫みなどの症状が起こり、末期的になると尿毒症となって重篤な場合全身けいれんなどの症状が起こります。
そういった場合に人工透析を行い、機能の衰えた腎臓を、人工的に動かします。尿毒症で腎不全になった人を死亡させないためです。電解質維持、老廃物除去、水分量維持の働きを人工的に行います。
人工透析を受ける人は、腎臓の機能が10%以下に落ちた人で、現在も30万人を超える方々がこの治療を受けています。人工透析の血液濾過をするこの療法を受けるには、1回あたりで3~5時間、週2~3回の病院通いが必要となります。
そうなると、医療費も高額に掛かってくるのですが(実際は月に40万円程と言われています)、
健康保険の特例高額療養費制度や市町村の障害者認定を受け手帳を交付される事で、例えば第1級障害に認定されると、医療費の助成が受けられます。
ほとんどの場合、健康保険による自己負担分の医療費がすべて無料となります。
人工透析治療によって障害年金を申請する際の注意点
これらの病気の特徴は、ゆっくりと進行し、最終的に慢性腎不全に移行することです。治療も長期的に期間を要する場合がほとんどです。
障害年金の請求は、初診日が特定できないとできません。特に糖尿病などは初診日が何年も前であることも多く、カルテが破棄されていることもあります。
健康診断以後等で最初に受診した医療機関名及び受診実施日を記録しておく、又は診断結果を探しておくことが必要です。
申請のポイント
人工透析治療の障害認定日は、初診日から1年6か月以内の場合、または人工透析を開始した日から3ヶ月が経過した日です。
なお1年6ヶ月を経過後に人工透析を開始した時は、3ヶ月が経過しなくても、
事後重症請求や額改定請求が直ぐに出来ます。
むしろ、初診日から1年6か月経過後に人工透析治療を開始される方の方が多いかもしれません。
つまり、初診日から1年6ケ月以内に人工透析を開始した場合1年6ケ月を待たなくても、障害年金の請求が出来ますので、医師から病状を告げられたら直ぐに、請求の準備をしましょう。
認定については人工透析治療を行っている段階で障害等級2級以上に認定されるケースがほとんどです。さらに、経過不良や別障害がある場合は障害等級1級に該当することもあります。
治療に長い期間を必要とし、なかなか働けないというお声もよく耳にします。その間の生活費や入院費(保険外の費用は高額療養費の対象となりません)をご準備頂く為にも、もらえる状況であれば、ぜひ障害年金の申請を一緒に検討しましょう。
現在の状況から一番適正に障害年金を申請されたい方は、ぜひとも当オフィスにご相談ください。