初めて2級該当による障害年金請求について

[記事公開日]2017/12/02

【初めて2級】とは何か?

簡単に言ってしまうと、2つ以上の障害を併せる(併合する)事で、障害年金対象の2級認定を受けるというものです。(ただし、厚生年金では3級以上の単体でも該当)

今回はこの【初めて2級】についてその内容と注意点をご説明致します。

 

【初めて2級】とは?

冒頭でも記載しましたが、【初めて2級】とは、一つ一つでは障害年金の認定を受けられないような状態の障害を2つ以上併合する事で、障害年金認定を受けられる2級もしくは1級の障害と認めてもらえる制度です。

 

それぞれの疾患では、どういった状態で何級に該当するのか?

それはこちらの、 

『厚生労働省 障害認定基準』

http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html

を参考になさってください。

認定はそれぞれの疾患や障害の箇所によっても異なりますが、例えば内臓疾患をお持ちの方が、その後精神疾患を発症されるケースも珍しくはありません。

そういった際に、一つ目の疾患では認定基準に満たなかったけれども、二つ目の疾患を併せる事で、2級以上の認定が受けられるようになるものが、【初めて2級】です。

 

二つ以上の疾患を併せた場合の併合の基準についても、

『厚生労働省 併合認定基準』

http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-2-1.pdf

がありますので、参考になさってください。

 

 

【初めて2級】を使えるメリット

この制度の良い所は、複数あります。主に以下の点です。

 

3級と2級では年金額が大きく変わる

国民年金である障害基礎年金には3級認定がありません。3級認定があるのは障害厚生(共済)年金だけですが、3級認定と2級認定では大きく年金受給額が異なります。

詳しい年金受給額については ⇒ コチラ 

さらに2級以上には子供や配偶者の加算が付きますが、3級認定では家族の年金加算がありません

これらの事からも、単純な年金受給額の観点として、【初めて2級】を使うメリットがあります。

 

基準障害での加入・納付要件を見る

【初めて2級】の考え方の中に、基準障害という概念があり、これは後発の障害の事を指します

そして一般的に初診日の時点で年金保険料の納付要件を満たしているか、または初診日でどちらの年金(国民年金・厚生年金)に加入していて、どちらの障害年金を申請できるかは、基準障害の初診日を見る事になります。

基準障害の初診日時点で納付要件を満たしていた、または厚生年金に加入していた、という事であれば、【初めて2級】を申請するメリットがあります。

 

ただし、これは逆の事も言えますので、基準障害(後発障害)の初診日において、納付要件が満たしていない、または前発障害の初診日では厚生年金に加入していたのに、後発障害の初診日では国民年金に加入していた、という状況になって不利な申請とならないか、確認が必要です。

 

障害手当金の返済が不要

障害厚生年金では一定傷病において、3級未満の認定となった際に障害手当金といって、年金ではなく一時金が支給されます。(疾病によっては障害手当金が無いものもあります ⇒ 例:精神疾患など)

その障害手当金を受給した後に、基準障害が発生し、【初めて2級】に該当して障害年金を受給できるようになった場合は、初めに受給した障害手当金を返金しないといけないのか?というと、そういった返金義務はありません。

ですので、【初めて2級】での申請について差引の計算や心配をする事なく申請が可能です。

 

【初めて2級】での注意点

いくつかのメリットがある【初めて2級】の申請ですが、その申請には以下のような注意点があります。

 

  • 基準障害以外の障害の、認定等級は1級または2級に該当したことがないこと。
  • 複数傷病の初診日が全て20歳前の場合、【初めて2級】の対象とならない。
  • 受給権は請求日より発生し、翌月分から受給ができる。つまり、【初めて2級】の状態になっていたとしても、申請をせずに放っておくと、その期間の年金は後から遡っては受給できなくなる。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

度としてたくさんの方々が利用されていて、メリットもある【初めて2級】ですが、注意点や障害認定基準の判断はやはり複雑です。

もしかしたら自分は該当していて、年金受給ができるんじゃないか?と思われた方はぜひ一度お問合せください!

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