初診日がいつかわからない時の申請

[記事公開日]2017/07/17
[最終更新日]2017/08/04

障害年金を申請する場合は、初診日を証明する事が大事である事は述べさせて頂きました。

(『障害年金って誰がもらえるの?』①初診日要件をご参照ください)

しかし、ケースによっては元々持病による疾病、子供の頃からの疾病など詳しく初診日がいつなのか確認できない場合があります。このページではそういった場合の対応について解説します。

 

 

初診日要件の必要性

(『障害年金って誰がもらえるの?』①初診日要件)でも述べましたが、

障害年金申請を行う上で、初診日を証明する事は大変重要です。

その初診日の時点で加入していた年金制度によって障害年金の受給できる金額も変わってきますし、過去に遡って請求できるかどうかも変わってくるからです。

 

この初診日というのは、現在かかっている医療機関だけで考えればいいのではありません。

また現在の疾病とそれより前に別の疾病にも因果関係があった場合は、その以前の別の疾病が全体的な初診日であると日本年金機構に判断されてしまう事もありえます。

(そして、その時点で年金制度への加入記録が無い場合は、申請をした障害年金も受給できないという事になってしまいます)

 

 

転院などで、初診日のある病院に現在通院していない場合

それだけ大事な初診日ですが、自身の初診日がいつなのかわからない、という問題に直面する事はよくある事です。

一番多いのは現在通っている医療機関が、初診日のある医療機関ではない、つまり病院やクリニックを転院しているケースです。

こういう場合は初診の証明書である【受診状況等証明書】を以前の医療機関に作成し証明してもらう事で、初診日の証明が可能となります。

 

 

初診日のある医療機関の証明が取れない場合

以前の医療機関で証明が取れる場合はまだ良いのですが、問題は以前の医療機関の証明が取れない時です。

具体的には、

〇初診日が過去過ぎるので、記録がなくなっていしまっている

〇クリニック自体が廃業してしまっている

こういったケースです。

 

こういった際は、【受診状況等証明書】を準備する事ができませんので、

代わりに、【受診状況等証明書が添付できない申立書】を作成し、

次の章で述べる、初診日の証明に認められるものを探して添付します。

医療機関での証明をもらえる訳ではないので、

できるだけ証拠となりうる確実なものを添付するようにします。

 

 

初診日の証明に認められるもの

【受診状況等証明書が添付できない申立書】を作成し、添付する証明については以下のものがあります。

 

・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳など

・身体障害者手帳等の申請時の診断書

・生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書

・事業所等の健康診断の記録

・母子健康手帳

・健康保険の給付記録(レセプトを含む)

・お薬手帳、糖尿病手帳、領収書、診察券(可能な限り診察日や診療科が分かるもの)

・小学校、中学校等の健康診断の記録や成績通知表

・盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書

・交通事故証明

・労災の事故証明

・受診医療機関への紹介状

・カルテ等の記録(氏名、日付、傷病名、診療科等が印刷されたもの)

・第3者証明

 

カルテについては保存義務が5年間となっている為、5年以上過去の物が残っている可能性は低いかもしれませんが、見つかった場合は重要な証明となります。

そして、5年以上前の初診日については、診察券や入院記録などの記録と合わせて、請求者の申立てにより請求が可能とされているケースがあります。

 

また、近年では最後の項目の第3者証明が認められています。親戚(3親等以内は不可)や友人、職場の同僚などの証言であっても、証拠の1つとして提出が可能です。

なお、 【20歳前傷病による障害年金】については、3者証明のみで認められる可能性もあります。

20歳以降の通常の障害年金申請では、第3者証明のみでの証明は原則できません。

ただし、医療機関の医療従事者(医療事務職員は除く)の第3者証明があれば、それのみでの証明も可能です。

 

近年の通達や新制度によって、障害年金申請も昔では認められなかった所が、柔軟に変わってきた部分もあります。

「初診日が古いから申請してもダメだろう・・・」

「通っていたクリニックも廃業しているから無理だろう・・・」

とあきらめている方は、ぜひ一度当オフィスにご相談ください。